SysML初級講座 第28. 要求の関係 «deriveReqt» 派生要求をアップしました。 → リンク
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30年ほど前の大型コンピュータは、アジアや欧州の国々に比べ、日本は特別に高価格に設定されていたわけですが、このことについて、筆者は、当時、次の2点、ー すなわち (1.)市場のベンダーに対する高い要求レベルと(2.) 日本法人の非効率な高価格体質 ー が主な原因である、と考えていました。
1. 市場が要求する高いサービス・レベル
これは自動車などにも共通して見られる現象で、車の例で言うと、往々にして日本市場は他国に比べ、ディーラーに対する要求レベル、依存度が高く、顧客がやったほうが安くつく簡単な作業であってもディーラーに頼む傾向が強く、保守・修理もディーラー任せとなり、頼られた側も(自己防衛的な理由もあって)過剰保守・過剰修理になりやすく、結果的に高い買い物になる傾向にあります。
車のオーナーの技術不足、関心不足の為に、高い買い物をすると言う構図は、決して車だけの問題ではありません。
また、特定の国だけ値段が高い ー あるいはアップリフト率が高い ーという状態は、決して秘密でもなんでもなく、各国の価格表や見積書を見比べれば簡単にわかる事でした。
当時のIBMは、独禁法の関係もあり、極端な値引きをして会社の体力まかせに、ー つまり会社の規模を利用してー 力まかせに案件を強引に取って行くと言う手法はご法度であり、どこの国でも定価販売、もしくはそれに近い状態で商売していました。
従ってグローバルな外資系顧客(当時の流行りの表現で言えば、多国籍企業)の中には、並行輸入品を使っている向きも多かったと思います。
その最たる例が米軍であり、ご存知の方も多いと思いますが、米軍内では「クロネコヤマトの宅急便」並みの(?)宅配サービスを兵站本部(か参謀本部)がやっており、どこかで安く仕入れたり、鹵獲(ロカク)してきたりした物(?)を大量に日本に持ち込んで使っておりました。
その場合、保守サービスだけは日本法人がやっておりましたが、保守サービス部門は独立採算であり、そんなバッタもんでも喜んでサポートしておりました。
このような保守サービス政策(ポリシー)は、大口顧客の大半を占めるグローバル企業(多国籍企業)のニーズに合致し、また中古価格の維持にも役立っておりました。
このような状況にあっても、当時既に多国籍化していた日本企業の間でも並行輸入品の利用はさほど進まず、中には ー 非常に印象に残っている例ですが ー、日本で買って、わざわざ海外に運んで使うと言う例もあったほどの状況でした。
(続く)
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