2019年2月16日土曜日

10分の1の法則 その3

ジープ・チェロキー 2ドア
前回は、「30年前の大型コンピュータの価格には、SEサービスが上乗せされていた」、と書きましたが、このこと自体は当時、世界共通であって、日本の価格にだけ適用されていたわけではありません。

特定の地域向けの商品は別ですが、商品の大部分は世界向けであって、それらの価格は米国での価格が基本になっており、大体次の式のように算出していました。

現地価格 = 米国価格 × 為替レート × アップリフト率

例えば、米国で100万ドルの機械をオーストラリアで売った場合、現地での価格は、為替レートを仮に本日のレート(1.40 米$/豪$)を使いアップリフトを120%とすると、

100万 × 1.40  × 1.20 = 168万 豪ドルになります。

実際には、為替レートは日々の時価を使うのではなく、会計年度ごとに一定のレートを固定して決めておき、製品価格だけではなく、子会社間や子会社ー親会社間のすべての取引に用いられるレートであり、例えば日本法人(子会社)の工場が製造した部品・製品をオーストラリア法人(子会社)へ輸出した場合のコスト振替もこのレートが用いられおり、大体のところ、実勢レートに準じた値を使っていたと思います。
そして、曲者(クセモノ)はアップリフト率であり、これは海外取引に伴うコストやリスクを勘案した割増率であり、対象の国や対象の製品の性質によって異なるのですが、実際のところ、オーストラリアを含むアジア太平洋州や欧州(ヨーロッパ)のほとんどの国は120%程度だったのに対し、日本だけは160〜190%ぐらいあり特異的に高かった記憶があります。
この日本のアップリフト率は、概ね大型機ほど高く、また時期によって異なっており、昔はもっと高かったと言われておりました。

(続く)

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