2015年10月8日木曜日

グローバル化と英語 その1

グローバル教育 図はFreepixより拝借
知り合いのフランス人によると、アメリカ嫌いで有名なフランスでさえも最近はグローバル化、ー すなわち英語化 ー の波に抗し難く、フランス系の国際企業を中心に社内共通語を仏語ではなく英語にする企業が増えてきたそうです。
 英語を蛇蝎の言葉として忌み嫌うフランスの企業でさえ、このような有様ですから、異文化に多少寛容で脇の甘い大学などは(グローバル化が)さらにひどい状況のようです(キャンパスは英語だらけ)。

なかんずくITやマネジメント・サイエンスなど近年急速に出てきた分野は重症で、例えば、ITは世界的には事実上英語で学ぶものとなって来ており、一説には、英語以外の母国語でITを学ぶ地球上に残る種族は日本人と韓国人だけ、とも言われています(絶滅危惧 CR級)。
 個人的には、このような傾向は最近は、さらに加速されて来ているように感じます。

さて、一つの言語が、国を超えた広範な地域で共通に話されるような事態は、世界史上たびたび見られます。
19世紀は、大英帝国の景気が良かったせいもあって、英語が事実上の国際共通語でしたが、これは単に共通語として英語を喋っていただけであって、学問分野はそれぞれの母国語か、もしくはラテン語などの古典語で学んでいました。

また、イタリア人が最初に発見した新大陸のアメリカ合衆国のような国で、出身地域がバラバラな移民たちが最終的に英語を共通語にするということでまとまってしまった経緯も興味深いものがあります。
アメリカ合衆国もかつてはフランス語圏やスペイン語圏などもあり、また別の国だったところもあります。
例えば、テキサス州なんかは以前は独立国であり(テキサス共和国)、主にスペイン語を話す住民が多い地域でしたし(今でもそうかも知れません)、カリフォルニア州はかつてはメキシコの一部であり、スペイン語が公用語でした。

(次回に続く)