2013年10月8日火曜日

OCEB講座 第34回 日本型組織と海洋汚染問題 その5

筆者が海洋汚染問題に関し日本型組織の問題にこだわる理由は、原発関連の問題に関し、技術的問題もさることながら、組織の問題の方がより大きなリスク要因だと考えるからです。
また今後の日本の発展にとっても、組織の問題が大きな障害になると思っています。

さて、最近パーソナリティ障害と言う言葉を耳にする事が増えて来ました。以前は人格障害と言う強烈なインパクトを持つ訳語が当てられていたものです。
パーソナリティ障害の中で筆者の興味を引くものに依存性パーソナリティ障害と言うものがあります。
いくつか特徴を書き出すと、
(注:非専門家の筆者が抜粋し訳したものであり、精神病の診断には使えません。精神病の診断は専門医にご相談ください。)

  • 一人で物事を決定できない ー 他者からの過剰な働きがけを必要とする。
  • 他者からの孤立を恐れ、反対意見が言えない。
  • 他者の賛同を得るために、長い期間の調整を行なう。
  • 他者からの過剰な支援がない限り、責任が負えない ー 責任を負うために他者を必要とする。
  • 新しい事を始める事に、強い困難がある。
  • 他者からの保護を常に必要とし、他者との親密な関係が終わると強い不安感に襲われる。
  • ・・・・ 等々
 相互依存関係的な文化慣習の多い日本は、この手の患者がさぞ多いのではないかと言うと、実際は逆で、欧米では病的と診断されるものも日本では病的と見なされず、患者は逆に少ないそうです。
さて、このリストの中の「他者を「組織」と読み替えてみましょう。
例えば、責任を負うために組織を必要とする、組織からの保護を必要とし、などと読みます。
当然どんな国の組織人も所属する組織にある程度依存しますが、日本の官僚主義の進んだ組織での依存度は突出して(病的と呼んでよいほど)強く感じられます。
これは、過去の日本(明治時代や武士政権など)と比較してもそうです。
極めて組織への依存度が高く、組織が最大の関心事となり、内向きな思考に走り、極端な場合、内部的な理由ですべての外部の事象に対処しようとします。
 上部の指導層が少々入れ替わっても、まるで金太郎飴のように同じ顔が現れ、組織の行動に影響を与えません。
 

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