2012年3月14日水曜日

OCEB講座 第13回 組織構造と戦略/ビジョンの一致

逗子の岩殿寺 泉鏡花ゆかりのこの寺は桜も開花中


鎌倉は暖かいか?とよく聞かれますが、都内とさほど変わりません、と言うのが大方の感想ではないでしょうか。
しかしながら、鎌倉の隣の三浦半島に一歩足を踏み入れると随分暖かい事が実感されます。
梅の開花やうぐいすの初音もずっと早く、農作物の作成りも良いようです。
しかし良い事ばかりではなく、杉花粉の発生も早いのは困った事です。

縦の権力と横の権力

前回は、縦型の力、責任と権限の関係のお話をしましたが、本日は横型の力について議論したいと思います。
縦型組織の問題点は日本の役所なんかを想定すれば、学生さんであっても理解は容易だと思います。
主な問題点として、
  • 下部組織ごとにお山の大将を作りやすく、西洋流に言えば財務省帝国、文部科学省帝国などが発生し(欧米ではお山の事を〇〇帝国と命名する事が多い)、職員は全体ではなく自分の所属する下部組織のためにのみ働くようになります。
  • 一つの問題に対し、各下部組織の責任が断片化し、それでなくとも責任回避型に走りがちなのに、ますます責任の所在が不明となる。
などが挙げられます。 これは日本の役人が特殊だからではなく、万国共通に見られる症状であり、言わば縦型組織の自然現象です。

この問題を打破する一つの手法としては、部門横断的に権力の行使が出来る横型の力ですが、外交や軍事などの大きな問題ではよく使われますが、問題によってはポリティカル・ゲームが発生しやすく、強い権力(ハードパワー)よりもソフトな力の行使が望ましい分野も多く(特に恒常的、自発的な改善が望まれる分野)、プロセス志向型組織が欧米で増えて来ているのは、BPMのこういう特徴を踏まえた結果と言えるでしょう。
一般にプロセス志向型組織では、横型の権力はソフトパワーを用います。代表的な横型権力の源泉は問題解決のための予算を握ることです。それ以外は硬軟様々な力の行使を行ない一つのゴールを目指して行きます。
また、縦型組織の最大の関心事である昇進経路ですが、基本的に横向きの力を発揮できる人、チームプレーヤーを第一に昇進させます。これは、組織文化の大きな変革であり、自部門至上主義、ナローマネジメント(旧帝国の再建を狙う勢力)は真っ先に排除の対象になります。

北米では、米国政府だけでなく州政府でもBPMに着手しています。と言うよりも、むしろ民間よりも、BPMのケース・スタディの宝庫の観があります。
アメリカ人は役人の官僚主義化に厳しい見方をするケースが多く、取り組みが遅いと見る向きもありますが(ちなみに日本政府の官僚主義は、もはやこの世のものとは思えない、信じられないレベルだそうです)、日本人の感覚から言えば、非常に積極的にやっているように見えます。






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